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会社を作ると、事業に失敗しても再出発を図りやすい


事業に失敗したときのことを考えると、個人事業の場合には個人の財産から支払う義務が発生しますが、会社であれば、代表者個人の財産を守ることが可能ですから、会社のほうが有利です。

目次

1.任意整理とは

倒産は大きく、「法的整理」と「私的整理(任意整理)」とに分けられます。

任意整理の場合、裁判所の関与なしに債務者と債権者が任意に協議して、財産関係の処理を決めていきます。

さらに、当事者同士の話しあいで、清算を目的として行うか再生を目的として行うかも決定します。


2.法的整理とは

これに対し、法的整理は読んで字のごとく裁判所の監督下で行われます。

法的整理は、さらに「清算型手続」と「再建型手続」に分けられます。

清算型手続きでは、倒産状態となった会社の財産を換価して、可能なかぎり債権者に借金の弁済をすることを目的として行います。

一方、債務の減免や猶予を受けながら、現在の財産をもとにして収益を上げることで再生を図り、減免された債務について弁済していく制度を再建型手続といい、「民事再生法」や「会社更生法」がこれにあたります。


3.個人事業の法的整理と任意整理

個人の場合にも、会社と同じように、法的整理と任意整理の2通りの方法があります。

法的整理・任意整理いずれも、信用情報機関にいわゆるブラックリストとして登録されて、5~10年程度はローンが組めなくなります。

法的整理の場合、裁判所の破産手続を経て「自己破産」をする方法と、裁判所を通じて借金の元金を減らし、残額を分割で返済する「個人民事再生手続」とがあります。個人事業主が、倒産のような事態になった場合、個人の財産を取り崩してでも、まずは取引先への支払いや税金の支払いをしなければなりません。

自己破産の場合には、もちろん個人の財産はすべて失ってしまいますし、個人民事再生や任意整理手続の場合でも、個人の蓄えや財産を残したまま、借金だけを減額してくれるほど債権者は甘くはありません。

これは、個人の財産が事業用と個人用という区別をつけることができないからです。


4.会社の場合、個人財産は守れる

しかし、会社であれば万が一事業に失敗しても、会社の債権者が代表取締役の財産を差し押さえることはできません。

会社は会社の財産の範囲内で支払いをすればよく、個人の財産を取り崩して支払う義務はありません。

もちろん、会社の代表取締役が銀行借入金の保証人になっている場合には、代表者個人が借入金の返済を要求されますし、代表者の自宅を会社の借入金の担保として提供している場合には、自宅を差し押さえられてしまいます。

このような場合、相続時精算課税などを利用し、配偶者などに贈与しておくことにより差し押さえを回避することができることがあります。

しかし逆にいえば、このような法的なよりどころがないかぎり、たとえ会社が倒産したとしても、個人の財産を守ることは可能だということです。

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