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雑収入・雑損失(ざつしゅうにゅう・ざつそんしつ)
本業とは関係のない取引からの収益(雑収入)や費用(雑損失)で、金額上の重要性が乏しい雑多な項目を一括して処理するための勘定科目です。
【目次】
1.科目の内容
「雑収入」とは、本業とは関係のない取引から生じる収益で、かつ金額上の重要性が乏しい雑多な項目を一括して処理するための勘定科目です。
例えば、還付加算金の受取り、助成金の受取り、損害賠償金の受取り、現金超過分などがあります。
「雑損失」とは、本業とは関係のない取引から生じる費用で、かつ金額上の重要性が乏しい雑多な項目を一括して処理するための勘定科目です。
例えば、税金の延滞料、罰金、盗難による損失、損害賠償金の支払い、現金不足分などがあります。
「雑収入」や「雑損失」で処理される取引は、広範囲にわたりますが、同じ取引が頻繁に発生したり、金額が大きくなるよう場合は、別途適切な科目を設けます。
雑収入勘定や雑損失勘定の変動が毎期大きい場合、税務署にも目を付けられやすくなるといっても過言ではありませんので、高額な処理をする必要がある場合には、わかりやすい科目名で新しい科目を設けたほうがいいでしょう。
2.仕訳例
本業とは関係のない取引による収益が発生した場合、「雑収入」を貸方に記入し、修正や取消があった場合は借方に記入します。「雑収入」は収益項目ですので、通常貸方に記入されます。
休憩所にある自動販売機の設定場所提供料として、現金を受け取った。
(借方)現金 10,000円/(貸方)雑収入 10,000円
本業とは関係のない取引による費用が発生した場合、「雑損失」を借方に記入し、修正や取消があった場合は貸方に記入します。「雑損失」は費用項目ですので、通常、借方に記入されます。
現金の残高が合わず、雑損失で処理した。
(借方)雑損失 500円/(貸方)現金 500円
3.現金過不足の場合
現金出納帳の帳簿上の現金の残高と、手許現金の実在高が一致しない場合に、「雑収入」や「雑損失」の勘定科目で処理することがあります。
通常であれば、帳簿の残高と現金の実在高は一致するはずです。
しかし、帳簿への記入ミスや現金の紛失などの理由で、帳簿残高と実在高が一致しない場合、早急にその原因を究明し、不一致の原因が判明した場合は適正な勘定に振り替えます。
一方、原因がわからない場合は、一時的に「現金過不足」勘定で処理をして、帳簿残高を現金の実在高に合わせます。
後日、原因がわかったときに、適正な勘定に振替えることになります。ところが、会計期末になってもその原因が判明しない場合は、「雑収入」または「雑損失」勘定に振り替えます。
4.税務上の留意点
「雑収入」や「雑損失」の勘定科目で処理される内容は様々であり、また、企業によっても内容が異なるので、税法上の取扱いには注意する必要があります。雑収入や雑損失で処理した場合、科目内訳書にその取引内容を詳細に記載すべきでしょう。科目内訳書に記載できない場合には、事業概況書などに取引の内容を記載するということも検討してください。
「雑損失」は、本業とは関係のない臨時的な支出である点が「雑費」と異なります。雑費は本業と関係があるものを処理する科目です。
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