地代家賃(ちだいやちん)
【目次】
事務所、店舗の家賃や月極駐車場の料金など建物や士地などを借りた場合に支出した費用のことです。
1.科目の内容
「地代家賃」とは、土地や建物などの不動産を賃借することで、その不動産の所有者に支払う賃料を表す勘定科目です。
なお、OA機器や工作機器などの動産のリース料やレンタル料は、「賃借料」の勘定を用います。
賃借している不動産が事務所や店舗などであれば、「地代家賃」は販売費及び一般管理費に計上します。他方、工場などのように製造部門で使用されているのであれば、製造経費の一部として製造原価に含まれます。
また、個人事業者は、店舗兼住宅や事務所兼自宅などにかかる支出を、事業分と家事分に按分して計上することができます。按分率は、個人事業者自身で、事業に使用する比率として妥当な割合を検討し、決定します。例えば、事務所として使用している床面積を事業分としたりですとか、実際に使用した時間で按分するとか、合理的な基準により按分する必要があります。
不動産の賃借料は、毎月翌月分を払う場合と半年分や1年分をまとめて払う場合があります。こうした場合、期末に「地代家賃」が前払いとなって未経過分が生じます。未経過分は、「前払費用」として資産に繰延べます。ただし、継続適用を条件として、支払った日から1年以内の「地代家賃」を支払った期の費用とする処理も認められています。継続適用が条件ですので、毎期処理を変更することはできません。
2. 仕訳例
不動産などを借りて賃料を支払った場合は「地代家賃」を借方に、取り消し、修正などの場合は貸方に記入します。「地代家賃」は費用ですので、通常、借方に記入されますが、期末に未経過分を「前払費用」に振り替える場合は貸方に記入されます。
事務所の家賃を支払った。
(借方)地代家賃 500,000円/(貸方)普通預金 500,000円
3.会計処理方法
不動産を賃借すると、「地代家賃」の他にもいろいろな支出があります。それぞれの内容に合わせて、適切な勘定科目で処理します。
- 他人の所有している土地を経営目的のために利用する場合、貸主と借地契約を締結する際に、地代だけでなく権利金などを支払います。これは土地を利用する権利ですので、「地代家賃」で費用処理せずに、「借地権」として無形固定資産に計上します。「借地権」には、借地契約の際の不動産業者への仲介手数料なども含まれます。
- 建物などの不動産の賃借の場合、保証金や敷金を支払います。保証金や敷金は債務不履行の担保として差し入れられるので、どちらも「差入保証金」の勘定を用います。「差入保証金」は、契約の終了や解除によって返還されますので、償却はしません。返還されない部分の金額は費用処理することとなります。
- 更新の際の更新料や礼金などは、将来返還されるものではありませんので、「差入保証金」には該当しません。そこで、税務上、いったん「長期前払費用」の勘定で資産として計上した上で、契約期間にわたって償却を行います。
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