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広告宣伝費(こうこくせんでんひ)


【目次】

主に商品などの売上の増加、会社のイメージアップを狙うための広告代のことです。

1.科目の内容

「広告宣伝費」とは、不特定多数の者に対する宣伝効果を意図して支出した費用を表す勘定科目です。特定の者に対する宣伝効果を意図して支出したものは、広告宣伝費に該当せず、交際費等となる可能性があります。

「広告宣伝費」には、売上の増加や会社のイメージアップを狙うために、雑誌などへの広告掲載、テレビなどのコマーシャル、ダイレクトメール、パンフレットや会社案内などに支出した費用といった、様々な広告宣伝活動の費用が含まれます。

その他にも、人材募集のための求人広告や決算公告などの費用も広告宣伝費として処理することがあります。

また、広告宣伝効果を期待して、企業は自社名や商品名をいれたカレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐい等を多数の者に配布することがあります。その価額が少額なものは、「交際費」ではなく、「広告宣伝費」で処理をします。

広告宣伝用のパンフレット、カタログなどは、原則として、配布したときに損金となります。ただし、金額的に重要でない場合は、購入時の損金とすることも認められています。ただし、パンフレットやカタログなどが期末時に在庫として残っている場合には、棚卸しをして資産計上する必要があります。案外忘れやすく、税務調査でも指摘される可能性がありますので、注意してください。

2.仕訳例

広告宣伝の活動のために支出した場合は「広告宣伝費」を借方に、取り消しや修正などの場合は貸方に記入します。「広告宣伝費」は費用ですので、通常、借方に記入されます。

雑誌への広告掲載料として現金で支払った。
(借方)広告宣伝費  500,000円/(貸方)現金  500,000円


3.資産計上する広告宣伝費の支出

1回限り又は短期的な広告費用計上
宣伝用ポスター、カタログなどの未使用のもの原則貯蔵品として資産計上
少額であれば、入荷時に費用計上可
1年以上の契約の広告原則前払費用として資産計上
継続適用であれば、費用計上可
広告塔、看板など10万円以上の資産資産計上
広告宣伝用資産の無償又は低廉譲渡税法上、繰延資産に計上
会計上、長期前払費用として資産計上


4.税務上の留意点

企業が、不特定多数の者に宣伝効果を期待して金銭を支出した場合、「広告宣伝費」として費用に計上します。ただし、次のような支出に関しては、その内容に応じて資産に計上します。

  • 広告用ポスターなどが期末に未使用のまま残っている場合、原則として、「貯蔵品」として計上して、払い出しの際に、「広告宣伝費」として処理します。
    しかし、一般的には、少額のものであれば入荷時に「広告宣伝費」として費用処理します。
  • 雑誌への広告の掲載や交通機関への看板設置など、1年以上の長期にわたる契約で広告料を前払いした場合、翌期以降に対応する部分は、いまだ提供されていない役務に対して支払った対価であるので、「前払費用」と処理します。
  • 広告塔、看板などを製作・購入した場合の支出は、取得価額が10万円未満の少額なものを除いて、「建物」「構築物」「工具器具備品」などの有形固定資産に計上します。10万円未満であれば、少額減価償却資産として損金に算入することができます。決算時には、それぞれの資産の耐用年数に応じて減価償却を行います。
  • 特約店等に対して自社の製品の広告宣伝用の看板、ネオンサイン、陳列だな、自動車などを、無償または低廉な価格で讓渡することがあります。その場合、その効果が1年以上続くと考えられるので、税務上は、当期の損金としないで繰延資産として計上します。しかし会計上は、会社法における繰延資産には該当しないので、「長期前払費用」などとして計上することが一般的です。

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