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退職金(たいしょくきん)


【目次】

役員や従業員が退職した際に支払われるものです。退職により企業が負担する退職一時金や企業年金制度からの退職年金があります。

1.科目の内容

「退職金」とは、役員や従業員の過去の勤務の対価として、退職を理由に支払われるものを表す勘定科目です。

「退職金」には、退職時に一括して支払われる退職一時金と、退職後の一定期間にわたって支払われる退職年金があります。

役員に対する「退職金」は、損益計算書上、原則として臨時の費用と考えて特別損失に表示します。一方、従業員に対する「退職金」は通常、退職者の属する部門によって区分します。

製造部門に属する者は「労務費」として製造原価に、販売や管理部門に属する者は販売費及び一般管理費に表示します。

事業の縮小、廃止等によって会社都合による大量解雇が行われた場合の多額の「退職金」は、特別損失として表示します。

なお、税務上、従業員と役員の「退職金」が損金になる時期が異なります。

従業員の「退職金」は、退職日の属する事業年度の損金になります。一方、役員の「退職金」は、株主総会の決議等により具体的にその額が確定した日の属する事業年度の損金となります

2.仕訳例

退職金の発生は「退職金」勘定を借方に、取り消しや未払いなどの場合は貸方に記入します。

「退職金」は費用ですので、通常、借方に記入されます。

来月支給する退職金を未払計上した。
(借方)退職金  500,000円/(貸方)未払金  500,000円


3.損金不算入となる退職金

税法上、過大な役員報酬が損金不算入になるのと同様に、退職した役員に支給した「退職金」も次の場合、損金不算入となります。

その役員の業務に従事した期間退職の事情、同種の事業・類似した事業規模の法人の役員の退職金の支給状況等に照らし合わせて、役員に対する退職金として相当であると認められる金額を超える場合、その超える分の金額は、その事業年度の所得の計算上、損金の額には算入できません。

また、役員と特殊な関係にある使用人に対して支給する退職金も、不相当に高額な部分は損金に認められません。

役員と特殊な関係にある使用人とは、役員の親族、役員と事実上婚姻関係と同様の関係にある者、役員から生計の支援を受けている者などを言います。

4.税務上の留意点

「退職金」勘定を使い、退職金の支払い時などに退職金を一時に費用計上する会計処理のほか、「退職給付引当金」を設定し、毎期末にその期の発生額を「退職給付費用」として費用計上する方法があります。銀行からの融資などを考えると、退職金を将来支払うべき費用として認識しているという意思表示のため、毎期末に発生額を費用計上すべきと考えます。

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