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荷造発送費(にづくりはっそうひ)


【目次】

商品や製品を出荷する際に、梱包や発送にかかる費用のことです。
段ボール箱、荷造用ひも、ガムテープ代、宅急便代などです。

1.科目の内容

「荷造発送費」とは、顧客からの依頼により商品を納品する際、梱包して荷造りするための資材の購入費用や、何らかの輸送手段を使って発送するための運賃を表す勘定科目です。

「荷造発送費」は、

  1. 荷造のための費用である「荷造費」、
  2. 運送のための費用である「発送費」
    からなります。荷造費と発送費を合わせて「荷造発送費」としているわけです。

会社によっては、「荷造費」と「発送費」を区分することもありますが、両者をまとめて「荷造発送費」とするのが一般的のようです。両社を区分して管理したい(例えば、発送費が多額にかかる業態)ということであれば、分けて処理してもいいと思います。

「荷造費」とは、梱包用資材の購入費用のうち販売による出荷にかかわるものです。

具体的には、荷造梱包するための段ボール箱、紙箱、ガムテープ、荷造用ひもなどです。また、割れ物などの場合に使用する保護資材(プチプチするやつです。)や発泡スチロールなども含まれます。最近では、荷造梱包を自社内ではなく外部に依頼するケースも増えています。この支払額も、「荷造費」に含まれます。

「発送費」とは、販売した商品を会社から顧客の手元まで届けるための、トラック、船舶、航空機、鉄道、バイクなどの運賃(ヤマトや佐川急便など)や郵便小包の小包料金などです。

2.仕訳例

荷造発送費の発生は「荷造発送費」勘定を借方に、取り消しなどの場合は貸方に記入します。「荷造発送費」は費用ですので、通常、借方に記入されます。

得意先へ商品を売り上げ、宅急便代を現金で支払った。
(借方)荷造発送費  5,000円/(貸方)現金  5,000円


3.荷造発送費は用途により勘定科目が変わります

会社が購入した段ボール箱などの荷造梱包資材は、全てが販売した商品を出荷するための荷造梱包に使用するものばかりではありません。

その中には、倉庫などで商品を保管するために使用するものや、もともと製品包装用の箱などの製品を構成するものとして使用されるものなど自社の商品管理用のものもあります。

これらは、「荷造発送費」で処理せずに、倉庫などで使用されるものは「消耗品費」として、製品を構成するものは「材料費」として処理する方が望ましいです。

また、運賃には、販売した商品を発送するための運賃と、仕入れた商品を引き取るための運賃があります。

どちらも運賃には変わりがありません。ただし、会計処理は異なります。発送の運賃は「荷造発送費」として販売費の区分に表示されますが、引取の運賃は購入のための付随費用ですので、仕入商品の取得原価に含めて「仕入」勘定など売上原価として処理されます。

4.税務上の留意点

梱包用資材の購入費用は、まとめて購入することが多いので、本来、購入時に「貯蔵品」として計上し、出荷の度に「荷造発送費」に振り替えていくことが好ましいです。

しかし、処理が煩雑になるので、本文内にあるように購入時に「荷造発送費」として処理しておいて、期末に残高を「貯蔵品」に振り替える方法のほうが多く使用されています。この場合期末に貯蔵品への振替を忘れないようにしましょう。

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