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長期借入金(ちょうきかりいれきん)


【目次】

会社が金融機関、役員、取引先、関係会社などから借りたお金で、長期(1年超)の契約で返済予定のものです。

科目の内容

「長期借入金」とは、金融機関、取引先、親会社、関連会社、役員などに対する借入金で、決算日の翌日から起算して、1年超えて返済される予定の借入金を表す勘定科目です。

「長期借入金」は、設備投資目的などの資金調達の手段として用いられます。通常、返済の期間が長期にわたることから、有価証券や不動産などを担保とした証書借入の方法がとられます。

会社の役員、従業員、株主や親会社などからの資金手当てとして借り入れをすることがあります。こうした債務は、特定の役員などから高い利率で借り入れることにより、利益供与を行う可能性があるなどの理由から、他の借り入れと区分して、「役員借入金」などとして区分表示するか、注記します。役員借入金に対しては利息を支払わなければいけないということはありません。その点では、役員貸付金と異なります。役員貸付金は必ず利息を徴収しなければいけません。

また、親会社からの借入金も「親会社長期借入金」として区分表示するか、注記することになります。

仕訳例

長期の借り入れを返済した場合は、「長期借入金」を借方に記入します。

長期の借り入れをした場合は、「長期借入金」を貸方に記入します。

銀行から10年返済で借入を行い、普通預金に入金された。
(借方)普通預金  500,000,000円/(貸方)長期借入金  500,000,000円

短期借入金と長期借入金の区別

貸借対照日(決算日)の翌日から1年越えて支払期限が到来するものを「長期借入金」で処理しますが、1年を以内に支払いが予定される借入金は「短期借入金」となります。この区分を、一年基準(ワン・イヤー・ルール)と言います。

当初の借入期間が1年を超えていても、時の経過にともなって、貸借対照日の翌日から1年以内に期限の到来することになった「長期借入金」は、「1年内返済予定長期借入金」ないし「短期借入金」に振替えます。ただし、その金額が少額の場合は振替を省略できます。

分割返済の定めがある場合は、1年以内の分割返済予定額部分は、「長期借入金」から「1年内返済予定長期借入金」ないし「短期借入金」に振替えます。

税務上の留意点

役員や従業員に対する借入であっても、借入金には利息が発生します。借入金に対する利息は、営業外費用の区分に「支払利息」と表示されます。ただし、必ずしも利息を支払わなければいけないというわけではありません。

会社の役員などからの借入金の利息について、会社の状況から判断して、一般的な水準に比べて高すぎないかに留意します。もし一般的な水準より高すぎる場合には、その会社役員に対する利益の供与と考えられ、役員賞与などとされてしまう可能性がありますので、基準となる利率(銀行の利率など)から逸脱しない範囲での利率を設定するようにしてください。

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