トップ>会計の教科書>社債(しゃさい)

社債(しゃさい)


【目次】

長期の資金調達を目的に外部に債券を発行して、資金の提供を受け、一定条件のもとで利息支払いや元本返済を行う債務です。

科目の内容

「社債」とは、外部から資金調達をするため、将来の一定期日に一定の金額を償還することを約した社債券という有価証券を発行することにより発生する金銭債務を表す勘定科目です。

「社債」は、長期の資金調達手段である点や将来弁済しなければならない債務がある点などでは、金融機関からの「長期借入金」と類似していますが、社債券という有価証券を発行し、社債券が一般に流通して投資対象となる点などで異なります。ただし、一般的な中小企業においては社債を発行するということはそれほど多くないように思います。

有価証券を発行するという点では、株式を発行して資金調達する「資本金」と類似していますが、償還期限があるという点や返済しなければいけないなどの点で異なります。資本金は返還する必要がないものです。

「社債」は、その償還期間によって一年基準によって区分されます。償還期限まで1年以上あり、固定負債に「社債」と表示されていたものであっても、償還期限が決算日後1年以内に迫ったものは「1年以内償還社債」として流動負債に表示されます。長期のものと1年以内返済のものを分けて表示することにより、当期に返済予定ものが把握できるようになるため、資金繰りの計算にも役立ちます。

なお、社債には、権利内容の違いによって普通社債と新株予約権付社債があります。

普通社債とは、新株予約権の付与されていない一般的な社債です。

新株予約権付社債とは、会社に対してその権利を行使することで、会社の株式を引き受けることできる新株予約権を付した社債です。なお、会社法では新株予約権が単独で発行できるようになりました(「新株予約権」のページをご参照ください。)。

仕訳例

社債を償還した場合は「社債」を借方に記入します。

社債を発行した場合は「社債」を貸方に記入します。

社債を発行し、普通預金で受け入れた。
(借方)普通預金  50,000,000円/(貸方)社債  50,000,000円

社債のBS価額

「社債」を発行した際の会計処理は、発行価額をもって貸借対照表価額とします。

ただし、社債を社債金額(券面額)よりも低い価額または高い価額で発行した場合には、償却原価法に基づいて算定された価額を貸借対照表価額とします。

償却原価法とは、債券の券面額と取得価額の差額を、償還期限に至るまで毎期一定の方法で貸借対照表価額に加減する方法です。

なお、この加減額は「社債利息」として、損益計算書に計上されます。

従来は、社債は券面額で計上し、発行価額が券面額よりも低い価額または高い価額で発行した場合には、その差額に相当する金額(社債発行差金)を資産又は負債に計上して、償還期限まで毎期均等額以上で償却することになっていましたが、「金融商品に関する会計基準」により、償却原価法によることになり、社債発行差金の計上は認められなくなりました。

税務上の留意点

社債の発行に際して、調達した資金に対する利息は「社債利息」で処理します。「支払利息」とは区分して表示することが多いように思います。

なお、社債の利払日と決算日が一致しない場合は、利払日から決算日までの期間の利息を「未払費用」として計上することができます。

【関連するこちらのページもどうぞ。】

【業務に関するご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。】

03-6454-4223
電話受付時間 (日祝日は除く)
平日 9:00~21:00
土曜日9:00~18:30

info@suztax.com
24時間受付中