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建設仮勘定 (けんせつかりかんじょう)


【目次】

建設中、製作中の有形固定資産を集約しておく仮の勘定科目です。

科目の内容

「建設仮勘定」とは、事業活動に使用するために、建設または製作途中にある有形固定資産に関する費用などを集約しておくための勘定科目です。

「建設仮勘定」は、未完成の有形固定資産について、完成までの費用を一時的に集計処理している仮勘定といえるわけです。

「建設仮勘定」には、次のものが含まれます。

  1. 工建設のために支出した手付金又は前渡金
  2. 建設のために取得した機械などで保管中のもの
  3. 建設などのために充てる資材など
  4. 建設などのために充てる資材などの購入のための前渡金
  5. 建設などのために直接支払われた労務費・経費

なお、3.建設などのために充てる資材と4.建設などのために充てる資材などの購入のための前渡金については、取得の際に建設に充てるためのものと、他のためのものとの区分が難しいものは、「貯蔵品」や「前渡金」として処理することができますが、建設仮勘定に集約して計上しまったほうがわかりやすいと考えられます。

仕訳例

設備などの建設のために手付金などを払った場合は、「建設仮勘定」を借方に記入します。

設備が完成し事業の用に供した場合は、「建設仮勘定」を貸方に記入します。

工場の建設を業者に依頼し、工事代金の一部を手付金として普通預金で支払った。
(借方)建設仮勘定  10,000,000円/(貸方)普通預金  10,000,000円

会計処理方法

建物や機械装置などを完成品として取得して使用するまでには、様々な支払いが発生し、完成までには時間がかかるものです。

業者に建設を依頼したのであれば、手付金や前渡金などがあります。また、自社内で作成した場合は、材料費、労務費、諸経費などが発生します。

建物や機械装置は完成品となってはじめて、その使用目的に応じて使用することができます。そこで、「建設仮勘定」という仮勘定で、完成するまでに要した費用を一時的に集計しておきます。建設仮勘定に仕訳されているということで、まだ完成していないものだな、とわかるようになるからです。

その後、建物や機械装置が完成して使用できるようになった際、一時的に費用を集計していた「建設仮勘定」から該当する固定資産に振替処理を行います。ただし、決算日に建物や機械装置が完成しなかった場合は、「建設仮勘定」のままで表示します。

「建設仮勘定」で処理されている場合は、まだ固定資産を取得していない状況ですので、事業のためにも使用していないのが通常です。なお、「建設仮勘定」は事業の用に供していないため、当然に減価償却の対象にはなりません。

税務上の留意点

「建設仮勘定」は完成していない資産を仮に集計しているものであり、事業に供していないことが原則ですので、減価償却の対象となりませんが、その一部が完成して事業のように供されている時は、その部分だけ減価償却することができます。

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