工具器具備品 (こうぐきぐびひん)
【目次】
事業用の道具で、製造用工具や器具などが該当します。
科目の内容
「工具器具備品」とは、経営目的のために所有・使用しているもので、耐用年数が1年以上かつ取得価額10万円以上のものを表す勘定科目です。
工具とは、工場などで使用され工作工具や機械に取付けられた加工用の道具で、測定工具、検査工具、取付工具、切除工具、型などを含みます。
器具とは、直接製造加工に使用する以外の道具や容器で、試験機器、測定機器、光学機器などが含みます。
備品とは、工具や器具以外の販売・一般管理用のもので、事務机、パソコン、通信機器、観葉植物など幅広い範囲の事業用の道具が含まれます。
「工具器具備品」には、現に営業用に使っているもののほか、遊休の工具器具備品や未稼働の工具器具備品など将来営業用に使うものも含まれますが、未稼働の工具器具備品を減価償却すると、税務上減価償却超過額として損金不算入としなければいけませんので、注意が必要です。
なお、購入対価に付随費用(購入手数料、運送費などの事業の用に供するために直接要した費用の額)を加えて、「工具器具備品」の取得原価とします。
「工具器具備品」は、長期にわたって使用し、そのときの経過や使用によって徐々にその価値が減少していく資産です。そこで、その資産の耐用期間にわたり、一定の方法で、その取得原価を各事業年度に期間配分しなければなりません。この方法を減価償却といいます。
仕訳例
工具器具備品を購入した場合は、「工具器具備品」を借方に記入します。
工具器具備品を売却した場合は、「工具器具備品」を貸方に記入します。
パソコンを購入し、普通預金で支払った。
(借方)工具器具備品 200,000円/(貸方)普通預金 200,000円
金額による区分方法
経営目的で使用される工具・器具・備品は、貸借対照表上、資産の部に「工具器具備品」で表示されます。
ただし、税法では、工具、器具、備品を区別して、それぞれの用途によって、詳細に耐用年数が定められています。税法では、取得価額によって、「工具器具備品」の会計処理の方法がいくつか定められています。
・耐用年数1年未満、または取得価額が10万円未満のものは、「消耗工具器具備品費」または「消耗品費」として処理されます。
・取得価額が10万円以上20万円未満のものは、一括して3年間で均等額を減価償却する方法が認められています。
・取得価額が30万円未満のものを取得した中小企業者等では、事業年度の取得価額合計額300万円までは取得原価を損金に算入できます。
ただし、少額であっても資産として計上して、減価償却することもできます。その期の利益の額を見ながら資産として計上し減価償却していくのか、費用処理するのかを検討するようにしてください。
税務上の留意点
税法の定める耐用年数に関しては、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」を参照してください。
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