自家消費-個人事業主の家事使用分(じかしょうひ)
【目次】
自家消費とは売上として計上するためのものであり、個人事業者が棚卸資産を家事用に使ったり、他の人に贈与する際に使用します。
1.科目の内容
「自家消費」とは、個人事業者が、棚卸資産を家事のために消費したり、贈与したり、事業の広告宣伝用や得意先などへの中元・お歳暮などに使用した金額を処理する勘定科目です。
「自家消費」の他、「家事消費等(かじしょうひとう)」などの勘定科目名を使うこともあります。
なお、所得税の青色申告書の「月別売上(収入)金額及び仕入金額」の欄では、「家事消費等」と記載されています。
「自家消費」の対象は、販売用の商品だけではなく、材料などの棚卸資産全般、また事業資産の全般が対象となります。
家事用に消費した分や贈与した「自家消費」は、売上として計上されます。
会計処理としては、「自家消費」勘定を貸方に、借方には「事業主貸」を計上します。特に「自家消費」勘定を設けずに、「売上高」を使う場合もありますが、自家消費勘定を使用すると煩わしいので、売上高勘定で処理されることをおすすめしています。ただし、自家消費が多いような場合には、きちんと自家消費勘定を設定し、どのくらい自家消費したか記録されたほうがいいでしょう。
2.仕訳例
事業用の資産などを家事のために消費した場合などには、「自家消費」勘定を貸方に記入します。
「売上高」勘定と振替える場合などは、「自家消費」勘定を借方に記入します。
個人事業者が店で扱う洗剤500円を、自分の家用に使った。
(借方)事業主貸 500円/(貸方)自家消費 500円
3.自家消費の額はいくらとすべきか
個人事業者が販売用の資産を家事のために使用した場合、所得税法上、その棚卸資産の販売価額を総収入金額の金額に算入することになっています。
また、販売用の資産以外の場合は通常、売買される価額となります。
なお、家事消費等の額を総収入金額に算入するにあたっては、特例があります。
家事消費などをした棚卸資産の取得価額以上の金額で帳簿に記載していて、総収入金額に算入している場合には、通常の販売価額に比べて著しく低い価額でないかぎり、その金額を自家消費の額とすることができます。
つまり、販売価額ではなく、
- その棚卸資産の仕入価額以上
- 通常の販売価格の70%以上
のどちらか高い金額を「自家消費」の額として計上することができます。
例えば、50円で仕入れた商品で販売価格が80円の商品を自家消費した場合、
①仕入金額50円
②通常の販売価格80円×70%=56円
①<② となるため、自家消費の金額は56円とすることができます。
4.税務上の留意点
青色申告決算書の「月別売上(収入)金額及び仕入金額」の表には、月別売上(収入)に加えるものとして、「家事消費等」の欄が設けられています。
ただし、家事用に消費した分や贈与した分を、その都度、「売上高」に計上している場合は、特に「家事消費等」の欄に記入しなくてもかまいません。
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