役員持株会の概要と運営

役員持株会の概要と運営
役員持株会は、会社と関係会社の役員等が会員となって持株会を組織し、自社株式の取得、保有の機関として制度化されたものです。役員は、社員と異なって、種々の法規制があるため、社員とは別に持株会として組織されるものです。

目次

1.役員持株会の目的とメリット

役員が自社株式を取得する目的とメリットとして、次のように考えられます。

  • 役員の地位等の観点から株式を保有することにより、一般株主、取引先などの社外関係者の信用度を増すこと。
  • 社内的に、社員に対して役員としての信頼度を保つこと。
  • 役員が自社株式を保有することによって、安定株主とすること。
    とくに、非公開会社の場合は、株式の社外流出による株式分散を防止できるメリットが大きくなります。
  • オーナーの所有する株式の一部を、保有させることによる相続税対策は、社員持株会と同様です。



2.役員持株会の概要と運営

2-1.役員持株会の設立

① 設立発起人会の開催

イ.役員持株会規約を決定、作成します。
ロ.理事及び監事の選任を行います。
ハ.役員持株会設立発起人会議事録を作成します。

② 第一回理事会の開催

イ.理事長を選任します。

2-2.非上場会社の役員持株会の特性

①構成役員

同族役員と非同族役員が存在するため、役員持株会も同族役員と非同族役員は、別々の組織とします。これは株式の評価方法が異なるためです。

また、非公開会社での非同族役員は少数の場合が多いため、会社法上の取締役、監査役のほかに、これに準ずるものとして、相談役、役員待遇の人、顧問なども含めて構成します。また関連会社の役員も含める場合も多いようです。

②株式の評価

非同族の役員持株会では、一般の社員持株会と同じく、株式の評価は配当還元価額で行います。

したがって、非同族の役員持株会は、社員持株会と税務上は同様の運営方法で行うことができます。

なお、同族役員の持株会の株式評価は、原則的評価方法によって行われます。

③退会

公開会社の役員持株会では、通常、退会する場合は、会員の持分に応じて株式の変換を現物で受け取ることができるようにしていますが、非公開の役員持株会の場合には、株式の分散流出を防止する必要がありますから、現物ではなく、一定の定められた株式の評価方法(ほとんどは、配当還元価額を参考にして定めている)により持分計算をして、金銭によって返還します。

④新会員への持分割当

新たに会員になった者には、理事会は、会員総会の承認を得てから、会の共有株式のなかから持分の割当てを行うことができます。

この場合の株式の評価方法は、退会の場合に定めた方法と同一になります。

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