2015.06.05
カテゴリ:相続・事業承継
不動産管理会社による所得税節税方法
不動産の賃貸料収入については実務上必要経費として認められるものの範囲が限定されているため、思うように税負担の軽減ができません。不動産賃貸を行っている方は不動産管理会社を設立することにより、税負担の軽減を図ることが可能です。
【目次】
1.業務の流れ
2.法人化のメリット
3.デメリット
4.注意点
1.業務の流れ
個人所有の建物や駐車場の管理をその不動産管理会社に委託する形をとります。
管理会社は入居者の募集や契約の手続き、建物管理、集金業務といった通常の管理業務を代行します。
不動産管理会社は、家賃等の8%から10%程度の管理料を、そのアパート経営を行っている地主さんから受取ります。
不動産管理会社の役員には地主の親族が就任し、「役員給与」をその地主の親族に支払います。
2.法人化のメリット
主に下記のようなメリットがあります。
- 地主さんが不動産管理会社に支払う管理料は、不動産所得の計算上必要経費になりますので、所得税・住民税の圧縮することができます。
- 管理会社の方では、その管理料は収益に計上されますが、「役員給与」という形でその地主さんの親族に支払うにより、法人税等の圧縮することができます。
- 地主さんの親族が受け取った役員給与収入については「給与所得控除」というみなし経費が使えるので、所得税・住民税を圧縮することができます。さらに、3人・4人と親族がいれば分散して給与を支払うことにより、各人が給与所得控除を利用することが可能です。
- 会社として
- 経営者保険の加入
- 車両などの資産の購入
- 退職金の支払い
により損金が計上できます。
3.デメリット
主に次のようなデメリットが考えられます。
- 会社設立の手間とお金がかかる(合同会社約10万円、株式会社約25万円)
- 法人税等の申告に手間がかかる
- 会計事務所へ報酬を支払わなければならない
個人事業の場合、税理士を依頼せず自分で計算して申告されている方がたくさんいらっしゃいますが、法人を設立すると提出書類がぐっと増えますので、一般的には税理士に顧問という形で依頼して申告書まで作ってもらうケースが圧倒的です。 - 均等割額(最低年間7万円)などの税金の支払がある
など、会社としての維持費は増加するので、設立に際しては長い目で見た有利・不利を慎重に検討する必要があります。
4.注意点
不動産管理会社は『会社』として機能していることが非常に大切です。
- 会社としての実在性を持たせるには
- (イ)事務所としてのスペースがあること
- (ロ)机、電話等が備えられていること
- (ハ)法人名義の銀行口座が稼働していること
- (ニ)社会保険に加入していること
- (ホ)委託料が年1回等ではなく定期的に決済がされていること
などが最低限必要と考えられます。
- 業務委託契約書の作成
- (イ)委託業務のすべてを網羅します
- (ロ)金額の妥当性には留意してください
- (ハ)収入印紙の貼り忘れにご注意下さい
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