特定路線価を申請しても、必ずしも不動産評価額が下がるわけではありません。

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路線価方式で評価する宅地で、路線価が付されていない場合には、特定路線価を申請しその特定路線価により評価することが多いのですが、必ずしも特定路線価により評価しなければいけないということではありません。

【目次】

1.特定路線価とは

特定路線価

路線価方式で評価しなければいけない宅地で、路線価の設定されていない道路のみに接している宅地を評価するためには路線価を設定してもらわなければいけません。

この路線価を特定路線価といいます。

設定方法は、「特定路線価設定申出書」を所轄税務署に提出することにより設定することができます。

特定路線価設定申出書

特定路線価は、実態と乖離しており、不自然に高いことが多いです。

2.基準法上の道路と路線価

路線価は、本来「基準法道路」に付されるべきものです。

しかし、税務署の評価担当者はそこまでのレベルにはないことがあります。ですから、「基準法道路」ではない道路にも路線価が付されているケースがあるわけです。

ということは、その評価対象地は、「欠陥敷地」(路線価評価上は無道路地)となるわけです。

しかし、特定路線価を申請してしまうとその特定路線価を無視するわけにもいきませんし、評価をする税理士としても、不自然に高い特定路線価では評価したくないわけです。

この場合は、特定路線価を申請せず、すでに付されている路線価をベースに評価し、かつ、無道路地としての評価を行うことにより、特定路線価で評価するより低く評価をおこなうことができます。

3.あえて特定路線価は申請しない

上記の宅地の場合、黄色い評価対象地は路線価が付されていません。その場合、「特定路線価の申請をすることができる。」とされています。

「できる」規定ですので、路線価を申請せず、すでに付されている「道路に接続する路線の路線価(上記の場合40万円です。)により評価し、無道路地の評価(場合によっては、不整形地の評価も)を行うことにより、2割から3割ほど評価を減らすことができ、実情に即した評価を行うことができるわけです。