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貿易取引における税関への輸入申告の流れについて

税関への輸入申告の流れについて解説いたします。

目次



1.代理申告とは

外国から到着した貨物は船や航空機から荷揚げされた後、保税地域に搬入されます。外国貨物を輸入手続き未済のまま国内を運送する場合には税関より保税運送の許可を取得します。

輸入者は自ら税関に輸入申告を行うこともできますが、海貨・通関業者に申告業務を委託する代理申告が一般的に行われています。海貨・通関業者は、輸入者より受取ったインボイス、船荷証券のコピー、運賃や保険料明細言などより、輸入申告に必要な事項をナックスに入力して税関への輸入申告(Import Declaration)を行います。


2.税関審査と許可

税関は輸入申告を3区分に振り分けます。
・区分1 簡易審査書類審査や現物検査なしで即時に許可
・区分2 書類審査関連書類を税関に提出し、審査後許可
・区分3 現物検査現物を検査後許可
輸入通関では、税関への輸入申告と関税や諸税の納税申告の2つの手続きを行いますので、輸入者は税関の輸入許可(I/P)を得て、関税や消費税等の諸税を納付した後に貨物を引取ることができます。


3.その他の特別な輸入通関手続き

3-1. 指定地外検査、艀中扱い、本船扱い

原則輸入申告は貨物を保税地域に搬入後行いますが、「他所蔵置許可場所」の許可と「指定地外検査」の申請、および「艀中扱い」や「本船扱い」申請の例外規定が設けられています。

3-2.予備審査制度

貨物が日本に到着する前に輸入申告書類を税関に提出して、税関の審査・検査要否の事前通知を受けることができる制度で、生鮮貨物やクリスマス商品等、急いで貨物を引取りたい場合に活用されます。航空貨物で検査の不必要な貨物であれば、貨物到着確認後直ちに輸入許可を受けられる到着即時輸入許可制度もあります。

3-3.輸入許可前引取承認制度とは(BP)

税関長の承認のもとで輸入許可前に貨物を引取ることのできる制度で、関税額に相当する担保提供が前提条件となります。この制度の適用が認められるのは、貨物を保税地域に留めておくことが適切でないと認められる危険物や変質のおそれのある商品および荷揚げ後に数量を確定する契約で貨物の到着時点では課税価格が確定していない商品に限られます。

輸入者は3カ月以内に本申告(IBP)を行い、関税・消費税等を納付した後、輸入許可が下ります。

3-4.特例輸入申告

貨物のセキュリティ管理とコンプライアンス(法令遵守)の体制が整備された輸入者を特例輸入者として税関長が認定し、輸入手続きに優遇措置を与える制度のことを特例輸入申告といいます。特例輸入申告の場合、輸入申告時の申告項目が削減される他、貨物の日本到着前に輸入申告し、許可を受けることができます。

また、輸入申告と納税申告は分離されるので、納税は後日まとめて行うことができます。

3-5.納期限延長制度

税額に相当する担保を税関に提出することを前提条件として、関税や消費税の納付を一定期間猶予する制度で、個々の申告毎に延納する個別延長方式、1カ月間の申告をまとめる包括延長方式、特例輸入者に適用される特例延長方式の3種類の方法があります。

3-7.保税運送(Transportation in Bond)

輸入未通関の貨物をインランドデポ(内陸蔵置場)などの他の保税地域に回送する際に必要な手続きです。


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Tag: 通関のしくみ

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