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インコタームズ（INCOTERMS)の船側渡(Free Alongside Ship)とは

インコタームズ（INCOTERMS)の船側渡(Free Alongside Ship)について解説いたします。

1.インコタームズ（INCOTERMS)の船側渡(Free Alongside Ship)とは

貿易条件のトラブルがそれほど多くないのは、インコタームズが世界中に広がっているからだといわれています。

取引条件の中でも重要なのが、商品を運ぶ費用やリスクなどの負担を決める貿易条件です。インコタームズとはその貿易条件を定めた国際ルールのことをいいます。

インコタームズは売り手と買い手が、商品の「費用負担」と「危険負担」をどう分担するかで、E・F･C･Dの4グループに分かれています。

Fグループは運賃の多くを買い手が負担する条件であり「F」は「free」のことです。売り手が商品を輸出する港や空港まで運び、そこで買い手が引き取ります。

その時点で費用負担と危険負担は買い手に移り、売り手は2つの負担からfree(自由)になれるという意味です。

なお、E･F･Cグループは商品の積み地(輸出国)で危険負担が移る「積地条件｣、Ｄグループは商品の陸揚げ地（輸入国）で危険負担が移る「揚地条件」と呼ばれています。

FASは在来船用の取引条件です。FOB（本船引渡し条件）という古くから使われてきた条件があり、FOBでは船上に備えたクレーンなどを使って船積みされる在来船による輸送を想定しています。FOBとの違いは、売り手が輸出港において、買い手指定の船の船側で商品を引き渡します。費用負担と危険負担もこの時点で買い手に移ります。

船側とは、具体的には埠頭やはしけなどのことです。丸太材を船に横づけして船積みする木材の貿易などに使われます。

2.費用の分担

DDPの費用負担の分岐点は、危険と一致しています。指定港本船船側で運送人に引渡した時点が費用負担の分岐点となります。

2-1.DDPの運送および保険契約

運送契約と保険契約は買い手が自らの責任と費用で行います。

2-2.DDPの通関、許認可取得、安全確認その他の手続き

輸出に係る通関、許認可取得、安全確認その他の手続きは売手の義務、輸入に係る通関、許認可取得は買手の義務になります。

通関には、輸出入通関手続きに必要な費用、関税、税金などが含まれます。物品の船積前検査費用は、輸出国の当局によって命じられる検査は売手の負担、それ以外は買手の負担となります。