トップ>会計の教科書>試算表作成におけるポイント~資産科目

資産科目 試算表作成におけるポイント


法人において試算表を作成する場合のポイントについて解説します。

【目次】

1.資産科目

1-1.現金・預金は出納帳、通帳残高と合っているか

〔現金残高のチェック〕
現金の実際有高と帳簿残高が合っているかを毎月必ず確認し、決算時に現金残高にズレが生じている場合には、原因を追究し残高を一致させます。

具体的には、月次ベースで現金残高を合わせておけば、決算時に残高のズレがあっても発見しやすくなります。

仮にお客様が事業用の現金の中から、個人的な費用の立替えや現金不足による個人所有現金の立替えなどの行為が日常的に起きている場合、記帳が後回しとなり、結果として、費用の計上漏れや収入の計上漏れなどの事態に至る場合があるので注意が必要です。


1-2.当座預金の残高と未決済分の差額は合っているか

〔預金残高のチェック〕
具体的には、「預金残高証明書」を取り寄せて確認し、残高に差異がある場合には銀行勘定調整表を作成し、ズレの理由を明らかにして、将来的に決算に織り込むべき事項がある場合には、それに備えて適切に処理しておきます。

■当座預金に残高にズレが生じてしまう代表的なケース

①帳簿に記帳済みだが、銀行側では未入金のもの

②帳簿に記帳済みだが、銀行側では未出金のもの

③帳簿に未記帳だが、銀行側では入金済みのもの

④帳簿に未記帳だが、銀行側では出金済みのもの

〔小切手による取引について〕
最近では、ネット決済やクレジット決済による取引が多く、小切手による取引の流れを把握できていない方が多くみられるので、そのあたりも合わせて確認しておく必要があります。


1-3.受取手形について

受取手形における日常的に確認するポイントとしては、大きく次の3つを挙げることができます。

イ)受取手形の残高は手形帳と合っているか

ロ)月末の決済が翌月始め決済になったときの残高は合っているか

ハ)裏書手形、割引手形の残高は手形帳と合っているか

この3つの項目について正確に把握するために、お客様にて手形帳をしっかりと付けていただきます。

又、手形取引についてもその使用頻度が減少傾向であることから、手形による取引の流れを把握できていない方が多くみられますので、そのあたりも合わせて確認しておく必要があります。


1-4.売掛金、未収入金残高は売掛金台帳や請求書と合っているか

〔売掛金について〕

イ)残高確認の一致

売掛金の残高を取引先に照会して残高が正しいかを調べ、差異がある場合には必要な調整を行うこと。

ロ)〆後売上

売掛金についても、日々、掛売上を計上している場合には問題ないが、締日に一括して掛売上を計上している場合については、買掛金同様に締日の翌日から期末日までの掛売上を計上しなければならないので、注意が必要です。

〔未収入金について〕

固定資産の売却代金、付随事業を行っている場合に生じる未収金については、売掛金と混同せず、正確に試算表に振り分けていく必要があります。


1-5.前月以前の仮払金は残っていないか

期中において発生した旅費、物品購入等を仮払金経理している場合、決算時点で未整理のものが極力ないよう、なるべく早いうちに領収書や請求書などで正しい科目に振替えるよう心掛けましょう。


1-6.保証金、敷金等に変更はないか

保証金や敷金などは、家賃と相殺されていたり、知らないうちに金額自体がなくなってしまっているケースもあり、その動きを通帳だけでは追えないものもありますので、明細を確認し、事実をきちんと把握する必要があります。



1-7.固定資産の取得、売却、廃棄はないか

資産として計上している機械装置・車両・備品などが、会社内部に実際に存在しているかを確認する必要があります。

通常、資産として計上しているものについては、明細表を作成して個別に管理すべきですが、そのリストには載っていても実際に存在していないものについては、売却・除却や廃棄している可能性があるため、その明細表から消さなければいけません。

又、リストには載っていない資産が存在している場合、新たに取得した可能性があるため、その資産についての取得時の処理の有無、また費用処理されている場合には取得価額や使用可能期間に照らしてその処理が適正か否かを確認する必要があります。


1-8.取得した固定資産が適正な科目で処理されているか

固定資産を取得した場合には、その資産が適正な科目で処理されているかどうかが、その後の適正な償却計算を行うため重要である。具体的には、次の2つの点で注意が必要です。

イ)機械装置と器具備品は、適正な科目で処理されているか
ロ)器具備品とソフトウェアは、適正な科目で処理されているか

Tag: 試算表作成におけるポイント

お問合わせ・ご相談予約について

わからないこと、実際に行う場合の手続き、節税額はどのくらいになるかなど、わからない点やご相談がございましたら、お電話またはお問合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

費用(報酬)のこと、必要書類、実際の手続きの流れなどどんなことでも構いません。

東京都北区の税金Lab税理士法人はすべてのお問合わせに、親切・丁寧・心を込めてお答えいたします。お問合わせをお待ちしています。

【業務に関するご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。】

03-6454-4223
電話受付時間 (日祝日は除く)
平日 9:00~21:00
土曜日9:00~18:30

info@suztax.com
24時間受付中