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雑損控除を繰り越す 所得控除を利用した節税


【目次】

1.雑損控除を繰り越す

雑損控除の適用を受けるためには、次の点に注意して控除もれがないようにしてください。


1-1.親族の所有する資産

雑損控除は、自分の所有する資産だけでなく、次の条件を満たす配偶者や、その他の親族の所有する資産に受けた損害についても対象になります。

  • 合計所得金額が銘万円以下の親族であること
  • 本人と生計を一にする親族であること


1-2.クレジットカード、銀行カードの盗難による損失

カードの盗難や偽造キャッシュカードなどによる被害が急増しています。クレジットカードを盗まれて不正使用された場合、その被害額のうち保険等で補てんされる金額を除き、盗難による損失として雑損控除の対象になります。

また、偽造キャッシュカードで預金が不正に引き出された場
合にも雑損控除の対象になります。


1-3.被害の拡大、または発生を防止するための費用

雑損控除は災害による損失だけでなく、災害により住宅や家財に被害が生じたり、被害が生じると見込まれる場合に、被害の拡大や発生を防止するために緊急に必要な措置を講ずるための支出も対象になります。

豪雪により家屋の倒壊などが生じた場合の損害のほか、家屋の倒壊を防止するための屋根の雪下ろし費用や家屋の外周の雪を取り除く費用、雪捨ての費用も対象になります。


1-4.白アリなどによる被害

雑損控除は風水害などの自然災害だけでなく、白アリなどの害虫、害獣その他の生物による異常な災害による損失も対象になります。


2.雑損控除を控除しきれない場合

災害により住宅が全壊してしまったような場合には、損失額が大きいため、所得から控除しきれないこともあります。

その年の所得から雑損控除として控除しきれなかった部分の金額は、翌年以降3年間にわたって繰り越すことができます。これを「雑損失の繰越控除」といいます。

雑損失の繰越控除の適用を受けるためには、その年の所得税について期限内に確定申告書を提出するとともに、その後の各年の所得税についても連続して確定申告書を提出する必要があります。


3.雑損控除の損害額の評価方法

住宅家財等については損失が生じたときの直前におけるその資産の時価を基礎として計算することになっています。ですから、相続した時の価額には関係ありません。

この場合、火災保険金や損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額があるときは損失額から差し引くことになっています。

なお、保険金や損害賠償金などが損失額を超える場合には、損失額はないことになりますこの保険金などが損失額を超える場合のその超える部分の金額は、一時所得に該当すると解されがちですが、この保険金等は、突発的な事故による資産の損害に基因して支払を受ける保険金に該当することから、非課税所得として課税されません。


4.雑損控除の場合の保険金等の見込控除

雑損控除額を計算する場合の損失の額は、保険金や損害賠償金等で補てんされる部分の金額は除くことになっていますが、その保険金等の額が確定申告書の提出時点で確定していない時は、その受け取ることとなる保険金等の額を見積もって計算することになります。

この場合、その見積額が後日確定した保険金等の額と異なったときは、さかのぼって損失額を訂正することになります

(注)実際に受け取った保険金等が、見積額より

①増加した場合は、修正申告をしなければなりません
②減少した場合は、更正の請求をすることができます。

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