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必要経費に算入される資産損失の金額 固定資産等の損失
【目次】
1.損失の金額の計算の基礎となる資産の価額
必要経費に算入される資産損失の金額は、その資産の原価ベースによる価額(いわゆる簿価)を基礎として計算することとされており、具体的には、それぞれ次に掲げる金額を基礎として計算します。
- 固定資産
損失の生じた日におけるその固定資産の取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額から減価償却資産の償却費の額の累積額を控除した金額
- 山林
損失の日までに支出したその山林の植林費、取得に要した費用、管理費その他その山林の育成に要した費用の額
- 繰延資産
その繰延資産の金額から損失の生じた日の属する年分以前において償却費の額として必要経費に算入される金額の累積額を控除した金額
2.損失の金額の計算
必要経費に算入される損失の金額は、原則として上記の金額となりますが、次に掲げる場合に該当するときは、それぞれ次によることとなります。
- 損害の発生直後の時価及び発生資材がある場合
資産損失の基因となった事実の発生直後においてその資産の価額(時価)及び発生資材の価額(時価)がある場合には、これらの価額の合計額を上記の金額から控除した残額が、必要経費に算入される損失の金額となります。
- 保険金、損害賠償金等の支払を受ける場合
資産について受けた損失を補てんするために支払を受ける保険金、損害賠償金その他これらに類するものがある場合には、その資産について受けた損失の金額のうち保険金等により補てんされる部分の金額は、必要経費に算入されません。
なお、保険金等の金額が損失の生じた年分の確定申告書を提出する時までに確定していない場合には、その保険金等の見積額に基づいて必要経費に算入すべき損失の金額を計算し、後日、保険金等の確定額と見積額とが異なることとなったときは、そ及して各種所得の金額を訂正することとされています。
- 現状回復のための費用がある場合
必要経費に算入される金額は、資産そのものについて生じた損失の金額に限られるため、その損失の金額には、災害に関連する費用(損壊した資産の取壊し費用や除去費用、原状回復のための修繕費など)は含まれません。
これらの費用は、所得税法第51条の規定によって必要経費に算入されるのではなく、所得税法第37条(必要経費)の規定によってその費用の全額が必要経費に算入されます。
ただし、資産が損壊した場合において、その資産の修繕その他の原状回復のために支出した費用の額があるときは、その費用の額のうち、その資産の簿価からその損壊直後におけるその資産の時価を控除した残額に相当する金額(資産自体の損失の金額に相当する金額)までの金額は資本的支出となります。
これは、その部分の金額が資産損失として必要経費に算入されていることによります。
そして、残余の費用の金額は、その支出をした日の属する年分の必要経費に算入することになります。
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