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専従する期間が6か月以下の場合 個人事業の必要経費を利用した節税


【目次】

1.専従する期間が6か月以下の場合

生計をーにする配偶者その他の親族に対し、労働の対価として給与を支払う場合、原則としてその金額を事業所得の金額の計算上必要経費に算入することはできません。

ただし、次のような場合には、それぞれの金額が必要経費に算入されます。

1 事業主が青色申告者の場合で、生計をーにする親族がその事業に専ら従事する場合…実際に支払った給与の金額で労務の対価として相当であると認められる金額(青色専従者給与に関する届出書に記載された方法に従い、その記載されている金額の範囲内の給与に限られます。)

2事業主が白色申告者の場合で、生計をーにする親族がその事業に専ら従事する場合…事業専従者控除として一定の金額

なお、その事業に専ら従事する期間がその年を通じて6か月を超えていなければ上記2の適用はありませんが、上記1の場合は6か月以下の場合であっても、

①年の中途における開業、廃業、休業又は青色申告岩の死亡、季節営業等の理由によりその年中を通じて事業が営まれなかった場合

②事業に従事する親族の死亡、長期にわたる病気、婚姻、その他相当の理由によりその年中を通じてその納税者と生計をーにする親族としてその事業に従事できなかった場合

には、その事業に従事することができると認められる期間の2分の1に相当する期間を超える期間その事業に専ら従事すればよいこととされています。

例えば9月に事業を開始して事業開始時から生計をーにする配偶者その他の親族を従事させる場合で、その生計をーにする配偶者その他の親族が専ら従事する予定のときは、実際に給与を支給し、「青色申告承認申請書」及び「青色事業専従者給与に関する届出書」を開業した日から2か月以内に提出した場合には、上記1の金額を必要経費に算入することができます。

2.青色申告に係る届出を提出しなかった場合

青色申告に係る届出を提出しなかった場合には、上記の例の場合の生計をーにする配偶者その他の親族は年を通じて6か月以下の従事期間となりますので、事業専従者控除額を必要経費に算入することはできません(一定の要件を満たしている場合には配偶者控除の対象となります。)。

ちなみに、事業専従者の要件を満たす場合、次の①又は②のいずれか低い方の金額を事業所得の金額の計算上必要経費とみなします。

①事業専従者1人につき、配偶者86万円、配偶者以外の親族50万円

②事業専従者1 人につき、 事業所得等の金額(事業専従者控除前) /事業専従者数+1

(注)事業専従者の要件
次のいずれにも該当する人をいいます。

1 その納税者と生計をーにする配偶者その他の親族であること。

2 その年12月31日現在(事業専従者又は納税者が年の中途で死亡した場合には、それぞれ死亡の時)の年齢が15歳以上であること。

3 その年を通じて6月を超える期間、その納税者の営む事業に専ら従事していること。

ただし、次に該当する人のその該当期間は、たとえ事業に従事していても、専従期間には含まれません。

1 高校、大学などの学生又は生徒である人(昼問営業に従事する人が夜間の授業を受ける場合、夜間営業に従事する人が昼問の授業を受ける場合又は常時修学しない場合などのように事業に専ら従事することが妨げられないと認められる人を除きます。)

2 他に職業のある人(その職業に従事する時間が短いなどの関係で、事業に専ら従事することが妨げられないと認められる人を除きます。)

3 老衰その他心身の障害により事業に従事する能力が著しく阻害されている人

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