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相続により取得した業務用資産に係る固定資産税 個人事業の必要経費を利用した節税


【目次】

1.相続により取得した業務用資産に係る固定資産税

業務の用の供される資産に係る固定資産税、登録免許税(特許権のように登録により権利が発生する資産に係るもの等、取得価額に算入されるものを除きます。)等は、各種所得の金額の計算上必要経費に算入されます。

これらの租税の必要経費算入時期は、原則として賦課決定等によりその納付すべきことが具体的に確定した時とされています。ただし、納期が分割して定められているものは、各納期の税額をそれぞれの納期の開始の日、又は実際に納付した日の属する年分の必要経費とすることもできます。

また、年の中途において死亡又は出国をした場合には、その死亡又は出国の時までにその納付すべきことが確定したものに限られます。

例えば、父が本年2月5日に死亡したことにより父所有のアパート(士地、建物)を相続し、アパートに係る固定資産税の納税通知書は父の死亡後に届いたような場合における、父の準確定申告及び相続人の確定申告に係る不動産所得の金額の計算上、その相続財産に係る固定資産税の取り扱いですが、このような場合には、相続開始時においてはまだ固定資産税の納税通知書が届いていませんので、お父さんの準確定申告における所得金額の計算上必要経費に算入することはできず、相続人の確定申告における所得金額の計算上必要経費に算入することになります。

なお、この関連を表にすると次のようになります。

固定資産税の納税通知書の到達被相続人の所得計算相続の年における相続人の所得計算
死亡前次の①~③を選択して必要経費に算入します。
①全額
②納期到来分
③実際に納付した分
被相続人の所得計算上必要経費に算入された部分以外の金額を必要経費算入
死亡後必要経費不算入次の①~③を選択して必要経費に算入します。①全額
②納期到来分
③実際に納付した分


2.相続等により取得した業務用資産の登記費用等

相続等により取得した業務用資産に係る登記費用等については、購入等により取得した場合と同様に、その支払をした年分の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入できます。

従前、登録免許税、不動産所得税等については、自ら購入して資産を取得した場合は、業務用資産は必要経費に算入され、非業務用資産は取得費に算入されましたが、相続や贈与による資産の取得は、相続という身分上の法律効果や親族等の無償行為によるものであることなどから、業務用資産であるか否かに関わらず、家事費として取扱い、必要経費又は取得費に算入することができませんでした。

しかし、贈与等により取得したゴルフ会員権の名義書換手数料が譲渡所得の取得費に当たるとする最高裁判決を受け、業務用資産について、相続等により取得した場合は取得費に算入され、一方、購入等により取得した場合は必要経費に算入されることになり、取得原因で取扱いに差異が生ずるととになりました。

そこで、取得原因による取扱いのバランスに配慮して所得税の基本通達改正が行われ、平成17年1月1日以後の相続等により取得した業務用資産の登記費用等については、自ら購入した場合と同様に原則として必要経費に算入するととになりました。

したがって、不動産の相続登記に係る登録免許税や司法書士に支払った費用は、支払った年の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することになります。

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