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税込経理を採用している個人事業者が死亡した場合 個人事業の必要経費を利用した節税


【目次】

1.税込経理を採用している個人事業者が死亡した場合

税込経理方式を採用している個人事業者が死亡した場合の消費税の納付額又は還付額の経理処理は、相続人が事業を承継するか否かによって次のように取扱いが異なります。

1-1.事業を承継した相続人がいる場合

事業所得者の死亡後に支払うことが確定した必要経費は、その支払うことが確定した日の属する年分の事業を承継した相統人の事業所得の金額の計算上必要経費として取り扱われています。

また、既往年分の事業税の額が還付された場合には、原則として還付通知のあった年分の事業を承継した相続人の事業所得の収入金額として取り扱われています。これらのことと同様に、税込経理方式を採用している個人事業者が死亡した場合の消費税の納付額又は還付額は、原則として申告書が提出された日の属する年分の相続人の事業所得の必要経費又は収入金額になります。

ただし、未払金又は未収入金として被相統人の事業所得の金額の計算上必要経費又は収入金額に計上することができます。

1-2.事業を承継した相続人がいない場合

相続人が事業を承継していなければ、相続人において消費税の納付額について差し引く事業所得の収入金額がありません。

そこで、税込経理方式を採用している場合の消費税の納付額は既に被相続人の収入金額に計上済のものであり、その修正として捉えることもできるので、収入金額と対応させるのが相当と考えられます。

また、事業を廃止した後の必要経費については、事業を廃止した年分の必要経費に算入することとされていること、及び上記 1と同様に未払金に計上した場合には、被相続人の事業所得の必要経費に算入されることが認められることから、消費税の納付額は被相続人の死亡した年分の事業所得の必要経費として計上するのが相当と考えられます。

消費税の還付額については、上記1と同様に未収入金に計上した場合には、被相続人の事業所得の収入金額に算入されること及び納付額の場合には上記のとおり被相続人の事業所得の必要経費とすることが認められること、また、消費税の還付額を収入金額に算入するのは税込経理方式を採用していることによるものであり、事業が継続している場合及び承継されている場合には、翌年に同一の所得の収入金額に計上することで前年の必要経費を修正(減額)する意味を持ちますが、事業を廃止した場合及び承継していない場合にはこのような性質を持つものを他の所得として認識することは相当ではありません。

よって、被相続人の死亡した年分の事業所得の収入金額として計上するのが相当と考えられます。

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