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家事関連費を必要経費に算入する 個人事業の必要経費を利用した節税
【目次】
1.家事関連費を必要経費に算入する
家事上の経費、つまり個人事業主の生活費や個人的な趣味のための費用が、事業の必要経費にならないのはいうまでもありません。
しかし、家事上の経費のほかに、家事関連費(家事上の経費に関連する費用)といわれるものがあります。
家事上の経費及び家事上の経費に関連する経費は、原則として、必要経費に算入することはできません。ただし、家事上の経費に関連する経費のうち、不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上直接必要であったことが明らかにされる部分の金額に相当する経費については必要経費に算入するととができます。
家事関連費とは、家事上の経費と事業用の経費が一体となって支出される経費です。たとえば、水道代、電気料、電話料、地代、家賃、固定資産税、火災保険料などです。
住まいと店舗や事務所が一緒になっていると、これらの費用は家事分と事業分が一緒になって請求され支払われます。家事関連費は、原則として必要経費に算入することができないというのが税法の基本的な考え方ですが、家事関連費のうち、業務で使った額を明確に区分することができる場合には、その部分を必要経費にすることができます。
たとえば、店舗併用住宅で1階が店舗、2階が住居となっているような場合には、面積の割合などで家賃や固定資産税・火災保険料などを按分すれば、事業用部分は必要経費に算入できます。
あくまでも明確に区分することが条件ですから、家事部分と業務部分が一体となっていて、合理的に区分できない場合には、必要経費に算入できないのが原則です。
2.家事部分と業務部分が一緒になっている費用の取扱い
家事部分と業務部分が一緒になっている費用(家事関連費)は、原則
として次の金額だけが必要経費とされることになっています。
①その主たる部分が業務遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合の、その区分された部分の金額
②青色申告者の取引の記録等に基づいて業務の遂行上必要であったことが明らかにされる部分の金額
このように、家事関連費は原則的には、
①主たる部分が業務の遂行上必要であること。
②その部分が明らかにできること。
の二つが必要経費とするための要件とされ、青色申告者には「主たる部分」という要件がはずされています。
この「主たる部分が業務の遂行上必要」であるかどうかは、その支出する金額のうち業務の遂行上必要な部分が50%を超えるかどうかにより判定しますが、その部分が50%以下であっても、その必要な部分が明らかに区分できる場合には、その部分を必要経費にすることができることに取り扱われています。
したがって、実務上は、青色申告者でなくて、②の要件、つまり業務の部分が明らかに区分できれば必要経費とするととが認められることになります。
3.所得補償の保険料は必要経費とならない
所得補償保険は、病気や傷害などにより働くことができなくなった場合に、その就業不能期間に応じて計算した保険金を被保険者に支払うという保険契約で、これにより支払を受ける所得補償保険金は非課税とされています。
この保険は、事業を営む人に限らず、いわゆるサラリーマンでも契約することができます。
事業主が自分自身の病気や傷害により減少する所得を補てんすることを目的として保険契約を締結し、その保険料を支払っているとしても、それは業務の遂行とは直接関連のないことと考えられます。
したがって、その保険料は、業務について生じた費用には該当しませんので、事業所得の金額の計算上必要経費に算入するととはできません。
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