土地の譲渡利益課税とは 会社が払う税金
【目次】
1.平成10年から課税が停止されている
投機的取引による土地の価格の上昇を抑制するために、土地の取引において生じた儲けには、その儲けに対する一定率での税金を課すというのが、「土地の譲渡利益課税」です。
バブル崩壊後、土地価格の上昇を抑制する必要がない経済環境下にあるため、平成10年1月1日から課税が停止されています。
また、リーマンショック後の不況に対する経済刺激策として、平成21年1月1日から平成22年12月31までの間に取得した土地等を、その年の1月1日において所有期間が5年を超えて譲渡した場合には、所得から1000万円を控除することができます。
ただし、配偶者や直系血族などに譲渡した場合には適用されません。
2.土地の先行取得にも特例がある
事業者が平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に土地等を取得し、その取得の日を含む事業年度末から10年以内に、その事業者が所有する土地を配偶者や直系血族など以外の者に譲渡したときは、先行取得した土地の取得価額を圧縮記帳することによって、課税を繰り延べることができます。
この場合の圧縮限度額は譲渡利益の100分の80(先行用地の取得が平成22年1月1日以降にのみ行われている場合には100分の60)となります。
この制度を利用するためには、土地等を先行取得した事業年度の確定申告期限までに、特例を受ける旨の届出を、税務署に提出する必要があります。
なお、土地等とは土地または土地の上に存する権利のことをいい、棚卸資産に該当する土地または土地の上に存する権利を除きます。
土地の譲渡益課税は、平成10年1月1日以降、長期にわたって課税停止となっています。しかし、制度そのものがなくなったわけではありませんので、今後の動向に注意が必要です。
3.土地の譲渡益課税の計算例
3年前に1000万円で購入した土地を2000万円で売却した。
売却にあたって、不動産屋に仲介手数料100万円を支払った。
今期の業績は、この土地売却益を含めても赤字であり、法人税の課税所得は0円。
(1)本来の法人税額は0円
法人税の算出税額は、課税所得に法人税率を掛けて求める。
課税所得が0円→法人税の算出税額も0円
(2)土地の譲渡益だけに課税させる土地の譲渡益課税
①売却した土地が長期・短期のどちらにあたるかを判定する
税率は所有期間に応じて以下のように決まっている。
所有期間5年以下…10%
所有期間5年超…5%
売却した土地は、3年前に購入しているので、所有期間5年以下の土地の譲渡に該当する。
②土地の譲渡利益金額の算出
土地の譲渡利益金額は、譲渡対価から譲渡原価および譲渡にかかる経費を控除して求める。
譲渡対価2,000万円 - (譲渡原価1,000万円+仲介手数料100万円)=900万円
→課税対象の譲渡利益金額は900万円
③土地の譲渡利益課税額の算出
土地の譲渡利益課税額は、②の譲渡利益金額に税率を掛けて求める。
(900万円×税率10%=90万円〕
→90万円が譲渡利益課税額として、納付する法人税額となる
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