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商品券等の発行による収益計上時期 売上と費用関係の節税


【目次】

1.商品券等の発行

商品券、ビール券、お仕立て券その他のいわゆる「商品引換券」を発行している企業はたくさんあると思います。

企業会計では、商品券等を発行した場合には、その発行代金については預り金として処理する慣行があります。

この場合、商品券を売ったときは、後日、これと引換えに商品を引き渡す義務があるので、商品券勘定という負債の勘定科目を使って、次のような仕訳をすることとしています。

(借方)現金100,000円 (貸方)商品券 100,000円

そして商品券と引換えに商品を引き渡したときに、次の仕訳で収益の計上を行います。

(借方)商品券100,000円(貸方)売上100,000円

これは棚卸資産の販売による収益の計上は「引渡基準」によるのが原則であるため、商品券等を発行しただけでは物の引渡しがなく、そのため預り金として処理することとしているものです。

一方、税務上は、法人が商品の引渡し又は役務の提供を約した証券等(商品引換券等)を発行するとともにその対価を受領した場合には、その商品引換券等を発行した日の属する事業年度の益金の額に算入することになっています。

商品引換券等の発行代金は、その性質上、発行者にとっては確実な収入ですので、商品との引換えの有無にかかわらず、発行時に収益計上すべきというのが税務の立場です。

ただ、この場合には、期末の未引換券については、費用収益対応の原則から、商品等の引換え費用を見積り計上する必要がありますので、その取扱いについてはで別途定められています。

2.発行時に預り金処理する方法

税務では商品引換券等の発行時に収益計上をするのが原則ですが、引渡基準の考え方から発行時に預り金処理をするという会計側の処理と異なってしまいます。

そこで、法人が商品引換券等をその発行年度ごとに区分して管理し、あらかじめ所轄税務署長(国税局の調査課所管法人にあっては所轄国税局長)の確認を受けた場合には、継続適用を条件に、実際に商品の引換え等があるまで預り金として処理する方法も認められます。

もっとも、半永久的に預り金処理を続けることには弊害がありますので、その発行事業年度の翌期首から3年を経過した日の属する事業年度終了の時(つまり足掛け5年目の事業年度末)に、未引換えとなっているものについては収益計上することが条件となっています。

ただし、この場合でも、その商品引換券等について有効期限が定められている場合で、それ以前に有効期限が経過したものについては、その時点で収益を計上しなければなりません。

ところで、商品券等の発行時に預り金処理をするには、「商品引換券等をその発行年度ごとに区分して管理」する必要がありますが、その方法は、個々の商品券等ごとに個別管理するのが原則です。

厳密な個別管理が困難である場合には、他の方法による具体的な管理のしかたについても確認を受けておくべきものと考えられます。

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