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固定資産の評価損の計上 資産関係の節税


【目次】

1.固定資産の評価損の計上

災害などにより固定資産が使い物にならなくなってしまう場合があります。

そのような場合の固定資産に対する節税対策が固定資産の評価損の計上です。

減価償却資産について次の①~④の事実が生じて、時価が帳簿の金額より下がってしまった場合には、下がった金額は費用に計算できます。この場合、帳簿の金額を時価で記載することになります。

①災害により著しく損傷した。

固定資産について評価損が計上できる場合の典型的な事例です。災害により資産が損傷した場合に、評価損を計上したいというのは当然ではないでしょうか。
減価償却資産に限らず、非減価償却資産である土地について、著しい陥没、隆起、地盤沈下等の被害が生じたために、時価が下落した場合でも、これにより評価損を計上することができます。

②1年以上遊休状態にある。

本来、事業の用に供していない減価償却資産(遊休資産)は、税務上、減価償却をすることは認められていません。
これは減価償却費についても収益との対応関係が求められるからです。
しかし、減価償却資産は遊休状態にある場合でも、物理的、経済的減耗は当然進行しているので、それが1年以上という長期にわたる場合には、評価損の計上によって損耗部分の費用化が認められることになります。

③本来の用途に使用することができないため、他の用途に使用した。

固定資産は、もともとその用途に応じて構造や仕様が設計されているものです。
そのため、何らかの理由により本来の用途に使用できなくなり、やむを得ず他の用途に転用し九ような場合には、とうしてもムダな部分が生じてしまいます。
このムダな部分の損失について、評価損の計上により費用化が認められることになります。

④所在する場所の状況が著しく変化した。

例えば、国道に面していた土地が、国道の付替え等に伴って交通の流れが変わり、商業用地として不適当になったため時価が著しく下落したような場合です。

このようなケースでは評価損として費用に計算した分が節税になります。

固定資産の時価が下落したため、法人が資産の評価換えをして帳簸価額を減額した場合でも、その減額した金額は損金に算入されないこととされています。

固定資産の価格の下落による損失は、その資産を譲渡しない限り実現しませんので、原則として、評価損の損金算入は認められません。

ただし、例外として、固定資産について、上記のような事実があった場合には、損金経理により帳簿価額を減額することを条件に、評価損の損金算入が認められているのです。

また、土地の賃貸に際して、権利金その他の一時金を収受するとともに長期間にわたってその土地を使用させることとしたため、土地の価額が下落した場合には、その土地の評価損を計上することができます。

借地権等の設定によりその士地の価額が50%以上下落した場合には、土地等の帳簿価額の一部の損金算入の規定がありますが、 50%に満たない場合でも、これにより評価減することが認められるというわけです。

2.固定資産の評価損の計上が認められない場合

固定資産の時価が下落したとしても、その理由が次のような事実に基づくものである場合には、評価損の計上は認められません。

①過度の使用又は修理の不十分等により、その固定資産が著しく損耗していること

②その固定資産にっいて償却を行わなかったため、償却不足額が生じていること

③固定資産の取得価額が、その取得の時における特殊事情等により、同種の資産の時価に比して高かったこと

④機械及び装置が製造法の急速な進歩等により旧式化していること

これらの事由による価値の下落については、評価損の計上は認められませんが、耐用年数の短縮、増加償却、陳腐化資産の一時償却などの償却制度の特例を利用することにより対応できるものもあります。

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