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為替差益(損)(かわせさえき(そん))


外貨建取引による外貨や債権・債務を、決済。換算した際の利益と損失のことであり、利益を為替差益、損失を為替差損といいます。

【目次】

1.科目の内容

「為替差益(損)」とは、外貨建取引において、為替相場の変動により生じる差額を処理する勘定科目です。

「為替差益(損)」には、外貨建て債権・債務の決済に際して発生する決済差損益や、決算時における外貨建ての資産・負債の円への換算にともない発生する換算差損益があります。

これらの換算差額は、当事業年度の「為替差益(損)」となります。

為替相場の変動により生じた差益を「為替差益」、逆に、為替相場の変動により生じた差損を「為替差損」として処理します。

損益計算書の表示にあたっては、決算時に「為替差益」と「為替差損」の両方が生じた場合は、両者を相殺して、「為替差益」ないし「為替差損」のどちらか一方を、営業外収益ないし営業外費用として表示することになります。

金額的に重要性の乏しい場合は、「雑収入」や「雑損失」に含めて計上することもありますが、前期比較することなどを考えると雑収入や雑損失勘定を使用せず、為替差損益として別建てで表示したほうがわかりやすいでしょう。

税法上、為替相場は電信売買相場の仲値(T・T・M)で換算することを原則としています。

ただし、継続適用を条件として、外貨建金銭債権は電信買相場(T・T・B)で、外貨建金銭債務は電信売相場(T・T・S)で換算することも認められています。

2.仕訳例

為替相場の変動により生じた差損が生じた場合は、「為替差損」を借方に記入します。差益が生じた場合は、「為替差益」を貸方に記入します。

ドル建ての普通預金を円換算した。
(借方)為替差損  500円/(貸方)普通預金  500円


3.外貨建取引

  • 取引発生時の処理
    外貨建取引は、原則として取引発生時の為替相場によって円換算を行います。この際に発生した外国通貨や外貨建金銭債権債務は、決済時に円換算されることになります。取引発生時と決済時までに為替相場の変動があった場合に、換算差額が発生します。
  • 決算時の処理外
    決算時の円換算は、原則として以下のような処理します。
    • 外国通貨:決算時の為替相場で円換算額
    • 外貨建金銭債権債務:発行時の為替相場で円換算額
    • 外貨建有価証券
    • 満期保有の外貨建債券:決算時の為替相場で円換算
    • 売買目的有価証券やその他有価証券:外国通貨の時価を決算時の為替相場で円換算
    • 子会社株式や関連会社株式:取得時の為替相場で円換算′-、損曹

決算時の換算によって発生した換算差額は、原則として当期の「為替差益(損)」として処理します。

なお、在外支店の外貨建取引については、原則として、本店と同様に処理します。

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