支払保険料(しはらいほけんりょう)
【目次】
定期保険などの生命保険や火災保険などの損害保険など保険契約に墓づき、保険会社に対して支払う保険料のことです。
1.科目の内容
「支払保険料」とは、事業運営する上で、発生する事故等による損害に備えるための保険契約に基づき、保険会社に対して支払う保険料を表す勘定科目です。
保険には多くの種類がありますが、大きく生命保険と損害保険に分けられます。
生命保険の主なものには、定期保険や終身保険(いわゆる死亡保険)、年金保険や貯蓄保険(生存保険)、養老保険(生死混合保険)があります。
生命保険の会計処理は、その種類だけでなく、保険金の受取人、保険の貯蓄性などによって異なります。
他方、損害保険には、会社の資産に掛けた火災保険、自動車保険、商品の運送保険などがあります。損害保険は、保険期間が1年で、保険料掛け捨てが一般的です。この場合、支払った保険料を「支払保険料」勘定で処理します。保険期間が3年以上で、かつ保険期間満了後に満期返戻金の支払いを受ける損害保険では、支払った保険料の掛け捨て部分を「支払保険料」として費用計上し、積み立て部分は「保険積立金」として資産に計上します。
短期の損害保険では、期末に支払った保険料のうち、未経過分を「前払費用」に計上するのが原則です。保険期間が長いものは、前払費用に計上するのを忘れないようにしてください。ただし、1年以内の保険料であれば、継続処理を前提に支払った時の損金にすることも認められています。継続処理がしないと認められませんので、毎期処理方法を変えてはダメです。
2.仕訳例
保険料を支払った場合は「支払保険料」を借方に、取り消し、修正、振替などの場合は貸方に記入します。「支払保険料」は費用なので、通常、借方に記入されます。
生命保険料を支払った。
(借方)支払保険料 5,000円/(貸方)普通預金 5,000円
3.会計処理方法
生命保険の会計処理に関しては、法人税基本通達において、会社が従業員を被保険者とした生命保険に加入した場合、保険の受取人が誰であるか、保険に貯蓄性があるかなどに応じて、取扱いが示されています。以下に、主な会計処理を示します。
- 保険期間中に被保険者が死亡した時に保険金が支払われる定期保険では、保険金の受取人が会社や被保険者の遺族である場合、原則、「支払保険料」として損金に計上します。
- 保険契約から一定期間が満了するまで被保険者が生存していた時に保険金が支払われていく個人年金保険では、死亡給付金と年金の受取人が会社である場合、支払う保険料は資産として計上します。他方、死亡給付金と年金の受取人が被保険者の遺族である場合は、被保険者の「給与手当」とされます。
- 死亡保険と生存保険を同じ割合で組み合わせた養老保険では、死亡保険金と生存保険金の受取人が会社の場合、支払う保険料は資産として計上します。他方、死亡保険金の受取人が被保険者の遺族、生存保険金の受取人が被保険者の場合は、被保険者の「給与手当」とされます。
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