資本剰余金 (しほんじょうよきん)
【目次】
剰余金のうち、利益の蓄積である利益剰余金を除いた部分です。資本準備金とその他資本剰余金があります。
1.科目の内容
「資本剰余金」とは、会社設立時や増資の時に出資者から拠出してもらった資金のうち、資本金としなかった金額や、自己株式の処分などで生じるものを計上する勘定科目を言います。
企業会計では、資本と利益を明確に区分することが求められています。そのため、資本金などを増減させる資本取引から生じた剰余金を「資本剰余金」として、他方、損益を変動させる損益取引から生じた剰余金を「利益剰余金」として区別をしています。
さらに、資本取引から生じた「資本剰余金」は、
- 「資本準備金」
- 「その他資本剰余金」
とに区分されます。
「資本準備金」は、会社法第445条の規定により積立を必要とするものです。
「その他資本剰余金」は、資本準備金以外の資本剰余金です。なお、「資本準備金」は、「利益準備金」とともに法定準備金と呼ばれています。
2.仕訳例
資本剰余金を資本金に組入れた場合などに、「資本剰余金」を借方に記入します。
会社を設立した場合や株式の発行をした場合で資本金に組入れなかった場合などには、「資本剰余金(資本準備金)」を貸方に記入します。
増資により新株を発行し、払込金は普通預金に預け入れた。なお、払込金額の2分の1を資本金とした。
(借方)普通預金 500,000円/(貸方)資本金 250,000円
(借方) /(貸方)資本準備金 250,000円
3.資本準備金」の内訳
「資本準備金」の主なものは、次の通りです。
1.払い込みまたは給付による積み立て
株式の払込金額のうち、資本に組入れなかった金額で、資本準備金として積み立てることが定められているもの。会社法では、資本金とすべき金額について、原則として、実際に払い込みまたは給付(現物出資)された財産の額としています。ただし、株式に対する払い込みまたは給付された額の1/2を超えない額を「資本金」としないこと(「資本準備金」とすること)ができます。ですから、払込金額の1/2が資本準備金となります。
2.剰余金の配当をする場合の要積立額
剰余金の配当の際に、配当剰余金の10分の1に相当する金額を準備金として積み立てる場合の、資本準備金として積み立てられたもの。これは強制されているもので、配当の際には積み立てなくてはいけません。
3.合併、分割、株式交換、株式移転などの企業再編による積み立て
4.減資による積み立て(株主総会の決議による)など
4.「その他資本剰余金」の内訳
「その他資本剰余金」の主なものは、次の通りです。
1.自己株式の処分などによる積み立て
自己株式を処分した場合の、処分差損益の積み立てまたは減額。自己株式の処分差益、処分差損はその他資本剰余金として処理されます。益、損という単語がついていますが、貸借対照表項目です。
2.合併、分割、株式交換、株式移転などの企業再編による積み立て
3.減資による積み立てなど
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