のれん (のれん)
【目次】
企業の無形の価値のことで、伝統、社会的信用、ブランドイメージのことです。
科目の内容
「のれん」とは、企業が長い間培ってきたの伝統、信用、技術、地理的条件等に基づく超過収益力を表す勘定科目です。これまでは、営業権と呼ばれていたものです。
のれんは、企業の永年の伝統、信用、技術、地理的条件等に基づく超過収益力のことをいいます。
一般的に「のれん」は、企業の合併や買収により企業の評価を行った結果、営業譲受価格が受入純資産価額を超過する場合の差額として算定されます。なお、不足する場合の差額を「負ののれん」と言います。
会社法上、合併、分割、株式交換、株式移転、事業譲受による取得に限って、「のれん」の計上は認められています。
しかし、自己創設ののれん、つまり自社で自ら作り上げた「のれん」の計上は認められていないことになっています。
税法上は、外部から取得した「のれん」については、有償でも無償でも無形固定資産として計上し、減価償却することができます。
仕訳例
営業譲受価格が受入純資産価額を超過する場合、「のれん」を借方に記入します。
不足する場合は「のれん」を貸方に記入します。
甲社の営業を譲り受け、代金を小切手で支払った。なお、これに伴って甲社より資産及び負債を引き継いだ。
(借方)資産 6,000,000円/(貸方)負債 4,000,000円
(借方)のれん 2,000,000円/(貸方)普通預金 4,000,000円
のれんの処理
企業結合により事業を取得した企業は、被取得企業から取得した資産及び引き受けた負債を時価で評価します。時価で評価された資産及び負債に対して、支払対価の総額である取得原価を配分します。その際、取得原価と被取得企業から取得した資産及び負債との間に差額が生じた場合、この差額を「のれん」とします。
「のれん」は、20年以内にその効果の及ぶ期間にわたって、定額法、その他の合理的な方法により規則的に償却します。その償却費は、販売管理費及び一般管理費として処理されます。
ただし、「のれん」の金額に重要性の乏しい場合には、「のれん」の生じた事業年度の費用にすることができます。
「負ののれん」も、20年以内の取得の実態に基づいた適切な期間で規則的に償却します。その償却費は、営業外収益として処理されます。ただし、「負ののれん」の金額に重要性の乏しい場合には、「のれん」と同様に「負ののれん」の生じた事業年度の収益にすることができます。
税務上の留意点
「のれん」は、税法上、5年以内で均等償却されます。会計上と償却期間が異なる場合には、その差額について税務調整が必要になります。
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