原材料(げんざいりょう)
【目次】
外部から購入した製造のために使われる原料、材料などのうち、まだ使っていないものです。
科目の内容
「原材料」とは、製品を製造するために外部から購入した原料、材料、購入部分品で、まだ使用していないものを表す勘定科目です。ただし、「半製品」や「貯蔵品」に属
するものは原材料勘定は使用しません。
「原材料」勘定では、原材料の受入れ、払出し、そして残高が処理されます。
「原材料」は製造費用の構成要素の1つで、個別原価計算や総合原価計算などの原価計算の手続きを通じて、製造原価を構成します。
原料とは、製造過程で化学的な変化をして、素材の原形をとどめないもののことを言います。例えば、機械の動力となる石油やガスなどのことです。
材料とは、製造過程で物理的変化をして、素材の原形をとどめるものを言います。例えば、接着剤など設備補修のために使用するものなどのことです。
購入部分品とは、外部から購入した部品で、加工することなくそのままの状態で製品に取り付けられるもののことです。
仕訳例
原材料を購入した場合、取得原価で「原材料」を借方に記入します。
製造のために原材料を出庫した際には、「仕掛品」勘定に振替え、「原材料」を貸方に記入します。
原材料を現金で購入した。
(借方)原材料 300,000円/(貸方)現金 300,000円
原材料を出庫した。
(借方)仕掛品 300,000円/(貸方)原材料 300,000円
原材料の取得原価
「原材料」の取得原価は、購入対価に付随費用を加えたものとなります。
①購入対価は、納品書価額から仕入値引及び仕入割戻し額を控除した額となりま
す。
付随費用には、
②直接付随費用(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税など、購入のために直接要した付随費用の金額)、
③間接付随費用(買入事務、検収、整理、選別、手入れなど、間接的に要した費用)、
④事後費用(工場間の移管運賃、荷役費などの費用)
があります。
③間接付随費用と④事後費用は、その額が①購入対価のおおむね3%以内であれば、販売費及び一般管理費で処理することが認められています。
税務上の留意点
帳簿上の「原材料」の数量よりも、実際に棚卸した数量が少ない場合、その不足分の数量に単価を乗じた額を「棚卸減耗損」として費用計上します。
「棚卸減耗損」のうち、原価性を有する通常の製造過程で経常的に発生するようなものは、製造原価、売上原価または販売費とし、原価性を有しない特別に発生したもの・臨時的に発生したものは、営業外費用または特別損失として処理します。
品質低下を原因とする「評価低下損」のうち、原価性を有する経常的に発生するような場合には、製造原価、売上原価または販売費とし、原価性を有しない特別に発生したもの・臨時的に発生したものは、営業外費用または特別損失に「評価損」を計上します。
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