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商品(しょうひん)


【目次】

販売を目的として、仕入れたモノのことで、店頭や倉庫に保管していある売り物のことです。

科目の内容

「商品」とは、物品販売などを主たる事業とする会社が、販売するために外部から仕入れたものを表現するための勘定科目です。

「商品」は、販売を主たる事業とする会社が販売目的で仕入れた物品ですから、業態によって様々なモノが「商品」勘定で表現されます。

例えば、不動産会社が販売目的のために所有している土地や建物などについても「商品」勘定で処理しますし、また、証券会社が販売目的で所有している有価証券(上場有価証券など)は、商品の範囲に含まれます。その業種の主たる事業が何であるのかにより商品なのか、固定資産なのか等を判断することになります。(例えば一般の事業会社が保有する不動産は商品勘定は使用せず、建物勘定・土地勘定などが使用されます。)

なお、「製品」との違いは、仕入れた物品を加工するかしないかで区別されます。仕入
れた物品を加工せずにそのままの状態で販売するという場合は、「商品」勘定を使用します。仕入れた物品を加工して販売するという場合は、「製品」勘定を使用します。

商品売買取引の処理には、いくつのかの方法がありますが、記帳の効率化のため、三分法という方法が一般的には使われています。

三分法は、「商品」勘定を取引内容に応じて
「仕入」「売上」「繰越商品」の3つに分けて処理する方法です。

なお、「繰越商品」勘定は、在庫商品を示す勘定であり、決算時に前期末在庫と当期末在庫の洗替処理をします。毎月棚卸をする会社であれば、毎月前月末在庫と当月末在庫の洗替処理をすることとなります。

仕訳例

三分法の場合、期中の商品の売買では「商品」勘定は使わず、決算時に、期首の「繰越商品」を貸方に、期末の「繰越商品」を借方に記入します。簿記の勉強をするときによく出てくる「し・くり・くり・し」(仕入・繰越商品・繰越商品・仕入)の頭文字をとったものです。

棚卸処理を行った。期首時点の在庫は200,000円、期末在庫は300,000円であった。
(借方)仕入   200,000円/(貸方)繰越商品  200,000円
(借方)繰越商品 300,000円/(貸方)仕入    300,000円

売上原価の計算方法

三分法では、期中に商品を購入した場合は「仕入」勘定で、販売した場合は「売上」
勘定で処理されます。

この場合、損益計算書上、単純に「売上」から「仕入」を控除して、損益を計算するというようなことはできません。

なぜなら、期中に販売された商品の中には、期首の時点で所有していた商品と期中に仕入れた商品がごちゃ混ぜになって販売されているからです。

そこで、実際に販売された商品に対応する部分を「売上原価」として、「売上」から控除して損益を計算します。

期末に売れ残った商品は、翌期以降の「売上原価」とするため、今期の損益計算から除くことになります。

この翌期以降の「売上原価」とするために繰越された額が、貸借対照表上に「商品」勘定で表示されます。

具体的には、期首の「商品」残高に当期の「仕入高」を加算して、そこから期末の「商品」残高を控除して「売上原価」を計算します。(差引することにより、売上原価を計算するわけです。)

税務上の留意点

期末の商品残高は、
①実際に商品の棚卸しを行って(実地棚卸)商品の数量を確定し、
②商品の単価を求めて、
数量に単価を乗じて計算されます。

そのため、実施棚卸の手続きは、商品残高の算定にあたって重要な手続きとなりますので、できれば決算期末だけではなく、毎月末棚卸を行うことをおすすめいたします。そのほうが適正な在庫管理・損益計算を行うことができるからです。

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Tag: 流動資産

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