借入金で不動産を購入し、株価を下げる方法

借入金で不動産を購入し、株価を下げる方法
類似業種比準価額方式より純資産価額方式の評価方法による株価が高くなっていることが多くあります。それは相続税評価額による純資産(資産-負債)が多額になっているからです。過去の内部蓄積(剰余金等)が大きくなっているか、土地等や有価証券の含み益が大きくなっているケースですから、株価引下げるためには含み益のある資産を除外することと、負債を増加させて純資産を減らすことになります。

目次

1.不動産の取得直後の純資産価額は高い

会社が課税時期前3年以内に取得した土地等及び建物等の価額は、路線価や固定資産税評価額ではなく「通常の取引価額」(いわゆる時価)で評価することとなっています。

なお、その土地等または建物の帳簿価額が課税時期における通常の取引価額に相当すると認められる場合には、帳簿価額によって評価することができます。

不動産の取得直後ですからこの場合は当然帳簿価額となります。

また、賃貸用の不動産ですから、土地については貸家建付地としての評価減、建物については貸家としての評価減の適用があるため、株価の引下げ効果があります。

ただし、この評価減の適用は賃貸ビルの賃借人の募集が行われ、貸室の大部分が入居してからになりますので、まだ募集をしていないというような場合には貸家建付地の評価ではなく、自用地評価となってしまいますので、ご注意ください。


2.不動産の取得3年経過後の純資産価額

賃貸用の不動産取得後3年を経過すると、土地は路線価や倍率方式等、建物は固定資産税評価額による相続税評価額で評価することができるようになり、土地については貸家建付地、建物については貸家としての評価減が適用できるようになります。


3.不動産購入の注意事項

  • 不動産の取得時から3年経過後とは、取得日より満3年後ということで、決算期ではありませんので注意が必要です。
  • 課税時期(評価時期)の土地、建物等の評価価額は「通常の取引価額」とされていますから、相続税評価額として評価されるまでの3年の間で土地の時価の値上りがあった場合で相続が発生しますと、借入金額よりも相続税評価額が高くなってしまうことがあります。
    特に東京では、東京オリンピックまで土地が上がり続けていくことが予想されていますので、借入金額よりも評価額が高くなる地域もあるかもしれません。
  • 時の経過とともに土地の評価額が上昇しているときは、建物のウエイトが大きい賃貸物件を購入したほうが有利になります。
    なお、借入金は3年間の元本据置とする借入契約を金融機関と交渉して実践すればより効果があります。
  • 高額な不動産を購入することになりますから、賃貸料の空室リスクなどの採算性、資金繰り等を十分に検討する必要があります。
    株価対策では、高額であればあるほど効果的ですが、それだけにとらわれると、借入金の返済や、転売時での損失などで、経営上の問題になることにもなりかねませんから注意が必要です。
  • 借入金による賃貸不動産の取得の株価対策は少額な不動産の購入で効果が大きい場合はよいでしょうが、内部留保金額や含み益が大きい場合は、経営的なリスクも大きいですから、単独の対策のみではなく、他の対策も併用して実践することをおすすめしています。
    そうすることにより、対策によるリスクを分散して実施できるのです。

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