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遺言書が法的に無効な場合の遺産分割協議の進め方
【目次】
自筆証書遺言によって遺言をするには、遺言者は、全文・日付・氏名を自書して押印しなければなりませんが、日付は、暦上の特定の日を表示するものといえるように記載されるべきと考えられ、自筆証書遺言の日付として単に「平成27年7月吉日」と記載されているにとどまる場合は、暦上の特定の日を表示するものとはいえず、そのような自筆証書遺言は、証書上日付の記載を欠くものとして無効であると判定されます。
しかし、日付の記載のない遺言書など法的に遺言書が無効であった場合でも、被相続人の遺志が明確であれば、被相続人の意思に沿った形での遺産分割協議が望ましいと考えます。
1.自筆証書遺言について
自筆証書遺言はいつでも好きな時に作れる点で公正証書遺言とは違い、最も簡単な遺言書ですが、法的に無効となりやすいのも事実です。
法的に有効な遺言とするためには、下記のような要件を満たす必要があるので、注意が必要です。
1.遺言書の「全て」を遺言者が自筆すること
代筆やパソコンによって作成された遺言は無効です。全文自筆が要件です。
2.作成日付を正確に書くこと。
遺言を作成する場合は、必ず作成年月日を記入してください。作成した年月日の記載のない遺言は無効です。
3.遺言者が署名、押印すること。
本人が記載したことの証明性が高くなるため、実印での押印を推奨いたします。また、署名については、戸籍通りに姓名を自署する必要があります。
4.複数枚になった場合には、契印、もしくは割印をすること。
遺言書が2枚以上になった場合、偽造や変造を防ぐために製本テープなどでまとめ、署名の下の押印と同じ印鑑を使用して、契印あるいは割印が必要です。
5.遺言の内容、特に財産の特定は、分かりやすく正確に書くこと。
複数不動産を保有している場合に曖昧な記載だと、どの不動産のことを指しているのか判明せず、トラブルの元となります。財産を特定する際には、不動産は登記簿謄本通りに記載し、預金の場合は支店名および口座番号を記載するなど、きちんと財産が特定できるような形で記載する必要があります。
自筆証書遺言は、無料で作ることができ、法的要件を守り、適切に作成すれば、法的に有効であり、ひとりで作成することができます。
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