トップ>資金調達>資金繰悪化の要因～在庫の増加

資金繰悪化の要因　④在庫の増加

1.現金化までのサイクル

商品が売れて現金になるまでには、次のようなサイクルになります。

仕入れた商品が在庫となり、それが売れて現金になる場合もあれば、売掛金
となる場合もあります。売掛金は、現金もしくは、受取手形として回収されま
す。受取手形は支払日に現金化されます。「在庫」「売掛金」「受取手形」で
ある間は、まだ現金ではありません。

現金が「在庫」「売掛金」「受取手形」に変わり、その分、現金預金は少な
くなっていきます。在庫などの増加により手元に現金預金が減少しているとい
うことは、資金繰りに大きな影響を与えます。

2.在庫回転期間の見直し

商品が在庫として留まっている期間によって、現金が再び現金になるまでの
期間が異なります。在庫としての期間が長いと当然、資金繰りは悪化していき
ます。

商品が在庫として、どれくらいの期間留まっているかをあらわすのが「在庫
回転期間」です。在庫回転期間は、次の算式で求められます。

在庫回転期間が長ければ長いほど、現金が在庫に変わっている金額が大きく、
その分、現金が少なくなります。

下記は、在庫回転期間が３ヵ月と１ヵ月の例です。このように、在庫回転期間が２ヵ月長いと、その分、現金が少なくなります。在庫が大きくならないように、在庫管理に気を付けなければなりません。

また、在庫として抱えたものが長期間売れないと、不良在庫になります。不良在庫が多いと、販売による現金化が計れないため、現金預金が少なくなります。不良在庫が発生しないよう注意することが必要です。