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資金繰悪化の要因~急激な売上増加


【目次】

1.商品が現金化されるまでの期間

売上が急激に増加すると、現金預金は減少するケースが多くなります。商品
を仕入、販売して現金化されるまで、次のようなサイクルになります。

現金 ⇒ 在庫 ⇒ 売掛金 ⇒受取手形 ⇒現金

商品が売れて現金化されるまで、「売掛金+受取手形+在庫(棚卸資産)」の部分が現金ではなくなっています。それは、企業にとって立て替えているお金ということになります。

急激な売上増加により損益計算書上売上高は計上され、貸借対照表上は売掛金、受取手形は多くなっていたとしても現金化されるまで時間がかかる場合には、資金繰り悪化の要因となってしまいます。

一方、商品を仕入れても代金をすぐに支払わなければ、「買掛金+支払手形」の分の現金が浮くことになります。

この分は、他の企業に立て替えてもらっている金額なので、この金額が多いほど資金繰りは良くなります。

したがって、「売掛金+受取手形+在庫(棚卸資産)-買掛金-支払手形」の金額が、企業が事業活動を行っているなかで立て替えている金額と言えます。

また売上は、当然のことながら仕入額より大きくなります。

そのため、通常は、「売掛金+受取手形」が「買掛金+支払手形」より大きくなります。

「売掛金+受取手形」に加え在庫もあるため、「売掛金+受取手形+在庫(棚卸資産)-買掛金-支払手形」はプラスになるのが通常です。

2.売上増加に伴い増える在庫や売掛金

売上が増加すると「売掛金+受取手形+在庫(棚卸資産)-買掛金-支払手形」の計算式で計算される金額も、比例して大きくなります。

この金額は、企業が立て替えている金額であり、この金額分の現金が企業には不足します。

売上が増加することにより、その不足額も大きくなり、資金繰りが悪化してしまうのです。

売上が急激に増加している企業は、資金繰り悪化も急激に起こりやすくなります。

不足分を金融機関などから融資を受けて資金調達しておかないと、売上は伸びたものの支払いが出来ず、「黒字倒産」という事態になりかねません。

売掛金・受取手形・在庫は少なくなるように、一方では買掛金が多くなるように心がけることで、資金繰り悪化を防ぐことができるはずです。

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